2006年06月17日

チェンマイ大学病院でNちゃんを見舞って、、、


家人の甥っ子で今年大学を卒業したNちゃんが入院した。

一週間前、Nちゃんは突然呼吸困難に襲われ、
ランプーンにある緊急病院に運ばれた。

Nちゃんの場合は、先天的にいろいろな身体的障害を有し、
不規則的に病院の入退院を繰り返していた。

その障害の重度に従い、生涯にわたって、
病院での診察及び入院費用等は無料であるという。

Nちゃんは、家人の上から2番目の兄の息子。
Nちゃんは次男だが、
その上の長男はバイクの交通事故で壮絶な死に至った。

今はNちゃんがそのお兄さんご夫妻のたった一人の子供である。

最初にNちゃんに会ったのは、6つ、7つぐらいの、
ほんの子供子供していた頃だった。
ちょっとか細い身体だが、ごく普通の少年に感じられた。


それから10何年の幾年月、、、、

親類の冠婚葬祭などの集まり事で、
家人の実家のランプーンに戻る際、
時々、Nちゃんの姿を見かけた。

不思議なことにいつまでたっても子供子供のままである。
成長が5つ、6つの頃から止まったままなのだ。

20人ばかりいる甥っ子姪っ子の中で、
交通事故死したNちゃんの兄を除くと、
Nちゃんが従兄弟中で一番の年長者になる。

それにもかかわらず、年下の従兄弟たちが、
背丈で体重でどんどんNちゃんを追い越していく。

Nちゃんの一番大きな身体的障害は、
まずこの肉体的成長が止まる病気だった。

それに付随して、
いろいろな身体的障害を併発し内包している。

まるで、小さな彼の体の中に、
非情な時限爆弾を抱えているようなものだ。



Nちゃんは人一倍親孝行で努力家だった。
おそらくは血を吐くような苦しみの中で、勉学に勤しんでいた。

父親は農業兼タイの伝統木彫り職人で、
腕はたつが、経済的にはかなり逼迫しており、
Nちゃんを大学へ進学させるには困難だった。

Nちゃんは泣いて勉学の継続を訴え、
見事大学入学を果たした。

Nちゃんの並々ならぬ努力と労苦を知っているだけに、
ワスもわずかではあるが喜んで金銭的援助を惜しまなかった。

大学入学後は、大学側からの奨学金と、
コンピューター関連の知的アルバイトで自活していた。

そうして迎えた大学卒業であった。

彼の筆舌に尽くしがたい苦労を知っているだけに、
親類中が心から彼を祝福した。

<彼の大学卒業式の模様は→ こちら!

そして、この5月からは、小学校の教員になって、
主に6年生相手にコンピューターの授業を担当している。

順風満帆のはずだった。
Nちゃんのこれまでの努力が報われ、
将来に向けて彼の自立した人生を謳歌できるはずだった。

Nちゃんがランプーンで緊急入院した後、
発熱と嘔吐が続いた。

病院側も原因がわからず、
手の施しようがないまま1週間放置の後、
一昨日、チェンマイ大学病院に移設された。

チェンマイ大学病院では、
直ちに首にできた大きな瘤上のしこりから、
大量の膿を摘出する手術に踏み切る。

そうして、Nちゃんの意識も戻り、
今は、だいぶん熱も引いたようだが、依然微熱が続くようだ。

ワスは、ちょうどこの日の午後、エアポートプラザで、
大事なチェンマイでの相談役とご一緒する機会があった。

それから午後3時過ぎ、家人を伴って、
プラザから近くのチェンマイ大学病院にNちゃんを見舞った。

10階の大部屋に横たわるNちゃんはまさに生きた屍だった。
正直、まともに見られなかった。

身体はこれ以上にないほどやせ細り、
うわ言では、苦痛のため、
<死にたい、死にたい>を繰り返している。

担当医によると、
根本的な原因は血液の免疫抗体に異常があるらしい。

できれば血液全部を入れ替える手術をする必要があるのだが、
Nちゃんの体力がもちそうになく、
病院側も傍観するしかないとの由。

とにかく、Nちゃんの激苦痛がこちらにもズキズキと伝わり、
情けないけど、どうにも手助けのしようがない。

Nちゃんが僅かばかりの意識の中で、ワスを認識すると、
手を合わせてワイ(タイ式挨拶=合掌)する姿に、
痛々しくて涙が零れそうになった。

ベッドの傍らには、
何十枚という色とりどりの生徒からの励ましの寄せ書きが、、、

一つ、一つ、手にとって読み、
心のこもった生徒たちのメッセージを眺めているうちに、、、、

教壇に立って、生徒に慕われ、不自由な身体に負けず、
一生懸命授業をしているNちゃんの姿を想像すると、
不覚にも嗚咽し、涙が止まらなくなった。

<神様は実に不公平だよなー>

Nちゃんは暫く、入院する必要があるという。

Nちゃんの細くて折れそうな微熱のある手を優しく握り、
また来ることを約束してその場を辞した。

Nちゃんの病室もムッとむせ返るような熱さだったが、
病院をの外へ一歩出たときの夕刻の容赦ない暑さに、

訳もなくいろいろな想いが交錯し、
眩暈で立ち暗みがした、、、、、、、、、、、
この記事へのコメント
コメントに困りますねぇ・・・。
少しでも良くなってくれれば良いですが・・・。
Posted by foikuwan at 2006年06月18日 01:04
foikuwan 殿
本当にコメントに困りますねー。
でも、それなのにわざわざコメント頂き、
ありがとうございます。
ところで、foikuwan 殿は、
出身地も現住所も○○○市なのですか?
次回、日本に行くようなことがあれば、
ご連絡さしあげますので、どうぞ、お見知りおきを、、、
宜しくお願い致します!
Posted by タイフリーク at 2006年06月18日 10:01
本当に不公平に感じますね
こういう時いつも考えさせられるのは、五体満足なことに満足できず、絶えず欲をかこうとするにも関わらず、面倒なことは後回しにし、すぐに楽をしようとする自分が情けなく思えます
ホントに1日も早く元気になって思う存分好きなことが出来るようになって欲しいですね!!
Posted by freedom at 2006年06月18日 17:34
フリーダム殿
自分の柄にもなく、冗談を云えないのがつらいところですが、
本当に<健康に勝る宝なし>と実感します。
いつも気に掛けていただきましてどうもすみません!
Posted by タイフリーク at 2006年06月18日 20:12
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