2006年04月18日

ソンクラーンの余波と「マイペンライ」



チェンマイの街は、ようやく平静を取り戻したようである。

ずっとソンクラーンの事ばかり触れてきたので、
さすがに<いいや>とも思うのであるが、
もう少しお付き合いいただきたい。

今年もあちこちで、ソンクラーン絡みの事故があった。
すなわち、水掛けとアルコールに起因するものだ。

ワスも普段はチェンマイの中をバイクにて移動する。
車よりはるかに機動力があるからだ。

ソンクラーン時は、普通の運転中にも拘わらず、
思いもよらない四方八方から水が飛んでくる。

いきなり、大樽を積んだ車とすれ違い様、抜かれ様に、
バシャーとやられたときには、その衝撃は強烈だ。

また、路上で斜め前からガツンとやられたときには、
冗談抜きで、バイクが一瞬真横にぶれる。

さらには、そういった波状攻撃を避けようと、
周りのバイク自体が突然、急ブレーキをかけたり、
進行方向を変えたりするので、車両にぶつかったりする。

ソンクラーン時、目の前で、運転中のバイクが、
豪快にすっころんだりするのも、よく見かけたりもした。

とにかく、ソンクラーン中の過度の水掛けは、
本当に危険であるということを強調しておきたい。

さて、一方のアルコールがまた厄介だ。

今年も一つ、身近で実に哀しい出来事があった。



我がクアンウイアンの住宅地では、本当に近所付き合いがいい。

いわゆる冠婚葬祭仏事などの式典や行事なども、
地域での場合もあれば、仲良しグループで仕切ったりもする。

うちでも気のおけない家族ぐるみのお付き合いで、
とりわけ親しい方々が10組ぐらいある。

時には、鬱陶しいことも多々あるが、
何につけ頼もしく寛いだ気分にしてくれる。

だいたいが皆、我々夫婦よりも年配の方たちばかりなので、
ご挨拶のワイ(タイ式挨拶の合掌)をする際には、
年下目下のこちらの方から瞬時に手を合わせなければならない。

唯一、NさんDさんご夫妻は、我々より5つほど年若で、
例外中の例外である。

Nさんはイカツイ顔をしているが、気は優しくて力持ち。
車の運転手をしており、学期中には、
真面目に地域の子供たちの学校の送り迎えを生業としている。

一方のDさんは自宅で美容院を零細経営しており、
地元での友人などを相手に商売っ気なしにやっている。

若いのに共働きで、頑張って家を買い、
せっせせっせとローンを返済している。
いろいろと人に言えない日々の苦労もあったはずだ。

家人とDさんもすごく親しくて、
Dさんも家人をよく慕い、毎日のように顔を出す。

Nさんも会えば、あちらからすかさずワイがきて、
こちらもその瞬間にワイを返す。
(タイでは、このワイのタイミングが本当に難しい。)

彼もアルコールが好きで、いつも祝い事では楽しくご相伴するが、
時に、度を過ぎることがある。(人のことは言えない)

そして、このソンクラーンで悲劇は起こったのだ。

皆、ソンクラーンの前にもいろいろお酒を飲む機会が多かった。
隣の息子のPの出家式でもロハで、
みんなを寺に送り迎えをしてくれたのもこのNさんである。

ソンクラーンイブの12日の夜、
いつものように仲間うちで集まってグダグダ酒を飲んでいた。

そこで、どういう経緯からか、
普通なら絶対ありえないことだが、
Nさんが冗談でCさんの下腹部にタバコの火をつけようとした。

そりゃー、Rさんは怒るわなー。

Nさんはその場にいた皆に当然窘められた。

そして突然、奥さん(Dさん)の弟を、
真夜中、呼び出しに行くと云い出した。迷惑な話だ。

皆が振り切るのも他所に、よりによってそのRさんの車を借りて、
すっ飛んで行ってしまった。

そのNさんがなかなか帰ってこない。

結局、酔っ払ったNさんは、義弟のすぐ近くの寺の塀に衝突し、
車は大破、塀も粉々。

幸い、命には別状はないものの、
修理やその他で莫大な費用がかかるのはわかっていた。

ここまでなら、身の回りに起こった、
ちょっと不運ないつものごく普通の生活の風景である。

Nさんは、その後、ムシャクシャした腹いせに、
義弟のうちへ行き、何度も激しく口論したという。

そりゃー、生活が一杯一杯で、保険などあるはずもなく、
そのうえ補償のお金などは、どう逆立ちしたって出やしない。

まして、全面的にNさんに非があるのは明白で、
このことでDさんも彼を相当ひどく詰ったらしい。

その矛先が、義弟とその奥さんの家庭に飛び火したようだ。

詳しいことはよくわからない。

16日の朝、義弟の奥さんは毒を飲んで帰らぬ人となった。

ソンクラーン明けの16日は、例年、
クワンウイアン住宅地の広場にて、
敬老の会が催される。65歳以上のご年配を祝福する式典だ。

年寄り集会
今年の出席者は35人、最高齢は93歳

ワスもランプーンから取り急ぎ戻り、
この会にちょっくら顔を出した。

ここでも無礼講で、いろいろなお酒が振舞われる。
とりわけ、米から作った白いどぶろくのような密造酒が、
実に口あたりがよく、ピッチが上がり、酔いも早い。

ラーウカーウ
どこからともなく現れるどぶろく酒

その席でいつも見かけるNさんの姿がない。

そうして、以上のようなこれまでのNさんの経緯を聞いた。

<一寸先は光、、、>そう信じたいと念じている。

けれども、現実は往々にして、<一寸先は闇>の事が多い。

皆、いろいろな問題を数多く抱えている。
それだけに、ソンクラーンなどの特別な日に、
そういった日頃の鬱積や鬱憤が、
無意識のうちに、往々にして噴出するのかもしれない。

アルコールの勢いで、日頃大人しい輩が突然暴走し、
取り返しのつかない事故に繋がっている。

人のことは、いえない。

ただ、いつまでもいろいろな不幸を引きずる、
自分のような平均的日本人と違って、
タイ人は立ち直りも早い。

<マイペンライ>

タイでは、水戸黄門の印籠でもないが、
最強にして切なくも意味の深いタイ語の言い回しである。

皆がNさんの話題に触れて、その言葉を口にした。

そして、今朝方、Nさんを慰めようとして訪問したところ、
顔つきは厳しいものだったが、同じように、

<マイペンライ>を繰り返した。

当事者も、被害者も、傍観者も
それぞれの現実を直と受け止めるべき諦観の境地で発する
<マイペンライ>だろうか、、、。

タイをわかっているようで、まだ全然わかっていない。
タイの懐の深さににいつも驚かされてしまう。

<マイペンライ>

自分も一言呟いてみた。

手強いが何故かしら、心に染み入るフレーズだ。


追伸:D師匠様、お誕生日誠におめでとうございます!
近く、チェンマイでの再会を心待ちにしております。押忍。


この記事へのコメント
はじめまして、私は下記のというHPを作っています山本と申します。
「バンコクの写真+タイのリンク集 タイマッサージ総合情報 他 」
http://www.ajisai.sakura.ne.jp/~tabi/index.htm
当HPには「日記ブログ」のリンク欄があります。
そちら様のHPをリンクしました。
http://www.ajisai.sakura.ne.jp/~tabi/rink/05nikki.htm
よろしくお願いします。

山本康博
Posted by バンコクの写真 at 2006年04月18日 18:31
(続き)
私も昨年に10月からチェンマイに住んでいます。
ソンクラーンの時期10日間は日本に行ってきました。
桜が目に沁みました(ホント)
桜の下を一人で歩いて、こんなに幸せな気になったことは初めてです。
女か酒がないと楽しめなかった桜が、一人でしみじみと楽しめました。
夕方に有料の公園に行ったので、私一人でゆっくり歩くことができました。
チェンマイの赤色黄色の咲き乱れる花もいいですが、散りゆく桜をゆっくりめでるのもいいなとしみじみ感じました。
Posted by バンコクの写真 at 2006年04月18日 18:39
バンコクの写真の山本康博様

ご丁寧にありがとうございます。
早速、山本様のHPにアクセスさせていただきました。
驚きました、感銘致しました。
全く、とてつもないまでのタイリンク集ですね。
こんな拙いブログですが、喜んで、
山本様のHPのリンク集の末席の一つに加え下さいませ。
こちらもお気に入りのリンク集に掲載させていただきました。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
Byタイフリーク
Posted by タイフリーク at 2006年04月18日 20:38
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