2006年03月27日

<沁みるタイ語><1><モッゲウ>=「イッキ(飲み)」


沁みるタイ語第1号として、モッゲウという言葉をを挙げます。

嘘のような本当の話ですが、
完全無防備状態で、初めてワスがタイのバンコクにやってきたとき、
自分の実体験から、それこそ最初に覚えたタイ語が、
他ならぬ、このモッゲウです。

<Situation>
暗闇迫るバンコクの路地裏で、無知で無警戒丸出しの狂介君が、
車座になって酒盛りをしているタイ人グループに紛れ込んでしまいました。

一般的にタイ人はフレンドリーで明るいから、何でもマイペンライと、
この平和ボケした狂介君をあたりまえのように歓待してくれます。

ビールなんて上等で高価な飲み物ではなく、
メコンウイスキーを氷やソーダや水、コーラで割って、
何となくその場に馴染んできます。

そうなると、知らず知らずのうちに誰彼ともなく、
モッゲウの号令とともにグラスを飲み干します。

狂介君も真似をして、嫌いじゃないアルコールの余韻に浸りながら、
モッゲウと叫びながら、グラスを空けます。


狂介君は何となくモッゲウが、
日本語で言ういわゆる「イッキ」の意味だと推察します。
グラスを飲み干しながら、イッキーとタイ人に向かって叫びます。
隣では、一部のタイ人が、表情を変えずに、ゲロゲロと道端に吐いています。

空けたグラスの後から後から、メコンを注がれ、
狂介君も流石に泣きが入り、親指と人差し指でグラスの半分を示し、
ハンブン、ハンブンと訴えます。
すると、周りのタイ人は、OK、クルン(グ)ゲウと応じます。

狂介君は酔っ払ったおぼろげな思考回路の中で、
クルン(グ)は、何となく「半分」の意味だろうかとイメージします。

調子に乗った狂介君は、親指と人差し指の幅をもっと狭くして、
チョット、チョットとかましてみます。
同様に、周りから返ってくる言葉から、ニッ(ト)ノイをキャッチします。

以上から、狂介はわからないながらも、
モッゲウ---「イッキ」
クルン(グ)ゲウ---「半分」
ニッ(ト)ノイ---「ちょっと」
を頭の中で確実に理解しました。

<考察>
* ゲウは「グラス」とか「コップ」、モッ(ト)は「尽きる」、「(使い)切る」、「すっかり」とかの意味で、すなわちモッゲウは、注がれているグラスの中身をすっかり全部空け切ってしまうということから、日本語でお馴染みの「イッキ」の意になる。

* クルン(グ)は、文字通り、「半分」の意味で、ゲウは「グラス」であるから、グラスの半分ということになる、一緒にグラスを傾けている状況で話されれば、「グラスの中身の半分(を空ける)」という意味になる。

* 元々、ニッ(ト)もノイもどちらも「ちょっと」とか「少し」の意味で、口語では二つ合わせて、「ちょっと」を強調することになる。日常でいろいろな状況で頻繁に使われるとても便利な言葉でもある。


<応用>
* モッ(ト)アーユは、アーユが、「期限」とか「年齢」ということなので、全体の意味としては、期限が尽きる(状態)で、すなわち、「期限切れ」という意味になる。ビザの滞在期間とか、(運転免許証などの)有効期間などの、「期限切れ」ということでよく使われる。

* 時間とか期間あるいは数字などで、例えば、
ヌン(グ)「(数字の)1」、
ワン「日」、
ドゥーアン「月、1ヶ月」、
ピー「年」、
チュアモーン(グ)「時間」

の言葉の前に、クルン(グ)をつけて、

クルン(グ)ヌン(グ)「(いわゆる1の半分で)半分、2分の1」、
クルン(グ)ワン「半日」、
クルン(グ)ドゥーアン「半月」、
クルン(グ)ピー「半年」、
クルン(グ)チュアモーン(グ)「半時間」などと応用できる。

* ニッ(ト)ノイは、
チン(グ)チン(グ)「ホント、ウソー」と並んで、会話の中で本当によく使われる言葉で、
例えば、「英語話せる?」、「タイ語が上手ですねー」、「おなかすいた?」などのタイ語での問いかけなどに対して、遠慮気味にあるいは、数量や感情の多少に対して答える時にも「ちょっと」の意味で使われる。
また、ニッ(ト)もノイも可愛らしい言葉の響きがあり、タイ人のニックネームで、男女ともによく使われている。皆さんの周りの知り合いのタイ人の中にも、ニッ(ト)さんとかノイさんとかいう人は、思いのほかたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。<(1)了>
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